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【徹底解析】大迫は本当に半端ないのか?

こんにちは。初登場のライター アカツカです。

いきなりですが皆さん、自分の発言に責任を持っていますか?
政治家のちょっとした失言は責任問題に発展しますし、上司の何気ない一言はパワハラにもなり得る時代です。

そこで今回は流行語大賞にもノミネートされた「大迫半端ないって」という言葉は正確な表現であるのか、間違っていないのか、ということについて少し真面目に考えてみたいと思います。

名言の誕生――今から9年も前のお話

2009年全国高校サッカー選手権の準々決勝で鹿児島城西高校が、滝川第二高校に勝利しました。この試合で大迫選手2ゴールを決めたこともあり、試合後のロッカールームで滝川二高の中西隆裕主将が「大迫半端ないって!」と放ったのがこの名言の誕生の瞬間です。

中西主将の泣きながら叫ぶ映像はインパクトが強く、ネット上で大流行しました。

一見、おもしろおかしな映像ではあるのですが、試合で負けて気落ちした仲間のために、相手を立てつつ、おどけながらも男泣きしていた主将の姿は、感動的でもあるんですよね。単に面白いだけではなく、彼のそういった人間性を感じられたことが、この動画が大きな話題となった一因です。

ここがすごいぞ大迫選手!

まず、基本的なプロフィールから

引用元:https://www.soccer-king.jp/player/article/413652.html

大迫勇也(オオサコ ユウヤ)
ポジション:FW
生年月日:1990-05-18
身長体重:182cm/73kg
出身地:鹿児島
利き足:右

 

これだけではまだ「半端ない」とは言えませんよね。

では、彼の主な個人成績を見てみましょう。

高校サッカー

JFAプリンスリーグU-18九州2008 得点ランキング1位
第87回全国高等学校サッカー選手権大会得点王
最多得点記録・10得点
初戦から大会史上初の4試合連続2得点を成し遂げる

プロ

ヤマザキナビスコカップMVP:1回(2011年)
Jリーグ月間MVP:1回(2013年8月)
Jリーグベストイレブン:1回(2013年)

そして記憶にも新しい2018年6月19日。「2018 FIFAワールドカップグループリーグ」のコロンビア戦で、後半28分にコーナーキックから決勝点をヘディングで決めました。Twitterでは「大迫半端ない」がトレンド入り!

確かに大迫選手が素晴らしいサッカー選手であることがわかりました。しかし、手放しに「半端ない」と連呼してもよいのでしょうか。

そこで、次に「半端ない」という言葉の意味を確認していきたいと思います。

 

半端ないって?

「半端ない」という言葉は、もともと『広辞苑』(2008年刊)に掲載されていませんでした。しかし、2018年刊の第七版には「【半端無い】〘形〙(「半端ではない」の省略から)はなはだしい。ものすごい。」と掲載されています。

もともと若者言葉や俗語的なニュアンスがやや強かった言葉ですが、どんどんと浸透していき、今日では広辞苑に掲載されるようになりました。

また、意味としては単に「すごい」といっただけではなく「並々ならぬすごさ」「常軌を逸しているほどのすごさ」を表しています。大迫選手の全国高等学校サッカー選手権大会での活躍は、87回の歴史のある大会で記録を塗り替えており、まさに「半端ない」というにふさわしいものでしょう!

また、「大迫半端ないって」が他の流行語と大きく違う点として「応用性の高さ」が考えられることを文春オンラインでオギリマ サホさんは指摘しています。

「大迫半端ないって」に続く「あいつ半端ないって! 後ろ向きのボールめっちゃトラップするもん、そんなんできひんやん、普通」という部分も含め、「〇〇半端ないって! あいつ半端ないって!《〇〇が凄いことをあらわすエピソード》するもん、そんなんできひんやん、普通」というテンプレートに褒めたいものを当てはめるだけで、様々なものに対して最大級の賛辞が完成するのです。

この参加型の流行語であること、そして聞いた人も発した人もポジティブな気分になれることがこのワードが愛される理由だと思います。ライターとしては、あの場面でこれほどキャッチーなフレーズを発信した中西主将のワードセンスにちょっと嫉妬しちゃいます(笑)

半端ないの陰に・・・

先ほどの輝かしい経歴を見ると、大迫選手のサッカー人生は順風満帆のように思うかもしれませんが、実はそうではありません。
2007年のU-17ワールドカップでは日本代表の有力候補でありながらも、選出されず。また、2012年に行われたロンドンオリンピックU-23日本代表メンバーからも落選した過去があります。2014 FIFAワールドカップでは、本大会メンバーに選出されましたが、第1戦コートジボワールと第2戦ギリシャ戦で持ち味のポストプレーは冴えず、相手に脅威を与えられないまま両試合とも後半途中に交代。第3戦は出場機会がありませんでした。

そういった経験について大迫選手はインタビューで「良いタイミングで失敗をしている」と語っています。これは前向きに挑戦し続けた人にしか言えない言葉ではないでしょうか。今年、9年前の言葉が再びこうして注目を浴びるに至るまでには、大迫選手の悔しさをバネにした努力があったのです。

MIFATVさんのインタビュー動画はこちら
https://youtu.be/ZY1nGBT9NKE

まとめ

大迫は確かに半端なかった!
そして「半端ない」の使いやすさが半端ない!
失敗は前に進むためのもの!

+YOUTH編集部 アカツカ

 

【参考サイト】
http://bunshun.jp/articles/-/8028
https://web.gekisaka.jp/player/?22850-1964-eup&code=osako