初めて鹿児島を訪れた人は
必ず一度
桜島の圧倒的雄大さに
桜島の圧倒的存在感に
目を奪われ、足を止めます。
県民にとってのソウルであり、
鹿児島の代表的な観光地である桜島。
溶岩道路や大正噴火によって埋没した鳥居は、噴火の荒々しさを後世に伝え、
毎日の降灰は、今もなお現役であると教えてくれます。
桜島と市内を結ぶフェリーは、県民にとって重要な交通手段であり、
船内で振る舞われるうどんは名物です。
鹿児島に来て4年が経ち
ふと僕は気づきました。
あれ???橋なくね???
と(いまさら感)
川や湾をまたいで街を結ぶとき
橋やトンネルが利用されます。
距離が大きく離れている場合、架橋は現実的ではありませんが、
桜島フェリーの乗船時間はおよそ15分
距離にして3.4㎞
困難な距離ではないと思えます。
桜島フェリーは24時間運転、ラッシュ時には10分に1本のペースでやって来ます。
10分に1本のペースでフェリーが来るんです!これってめちゃんこ凄い。
ここからの話はめっちゃ余談なんですけど、
僕の研究室の教授は、卒業までの過程をよく電車に喩えます。
「夏に実験を行いデータを出し、秋に考察を終え、冬に論文におこす1つの工程が遅れれば、後に続くことも遅れて、結果留年することになる。電車と全く同じだ」
いや、先生の電車は指宿枕崎線ですかあああーーーー???
僕の電車は山手線なんで、すぐ次が来るですよおおおお!!
乗り遅れても全然間に合うもんねぇぇ!
留年。ダメ。絶対。
話がほんの少し逸れましたがほんの少し。。。
便数の多さは利用者の多さ
鹿児島市観光統計によると平成27年の桜島フェリー降客数は154万9293人、乗用車が692351台だったそうです。
一日およそ4000人と2000台。
これ程多くの人や車をフェリーで運んでいます。
しかし便が多いとは言え、やはり船ですから限界があり。。。
架橋することで、フェリーの負担を減らしたり、より円滑なネットワークを構築することを期待できます。
仙巌園の前っていつも渋滞しているイメージがありませんか?笑
市内と姶良を結ぶ国道10号線は、通勤時間帯によく渋滞します。
夕方、西日の強烈な紫外線を一身に受けながら我慢する渋滞は、毛穴から汗がじっとりと出るような気持ち悪さがあり、めっちゃイライラします笑
鹿児島市内と姶良方面をつなぐ道は海岸の国道10号線とめっさ山道の県道25号線ぐらいしかありません。
もし桜島を中継するように2つ架橋したとしたら、この便の悪さを解消することもできるかもしれません。
交通網の強化は、人の往来、流通を活発化させ、桜島、大隅地区の経済発展にも一役買いそうです
ではなぜ橋は作られないのか?
そもそも話に上がっているのか?
今回は「なぜ、桜島に橋が架からないのか?」を中心に話を進めていきたいと思います!
ズバリ!「橋を立てられない理由」
交通の便の改善、桜島大隅地域の活性化など架橋によるメリットは言うまでもなく大きいはずなのになぜ橋は立たないのか?
鹿児島に来て3年しか経っていない僕が勝手に推測しちゃいます。
景観保護の声
架橋には大きなメリットがありますがデメリットも沢山あります。1番のデメリットはやはり景観ではないでしょうか。
鹿児島のシンボルマークである桜島の景観は大事にしたい!
昔からあの美しい景色を慕っていた県民から反対の声が上がることは十分に考えられます。僕もあの景色に大きな橋が加わったら少しガッカリします。
それにしても桜島って完璧ですよね。
まずロケーションが最強じゃないですか?
錦江湾の中心に位置し、まるで鹿児島全体を見渡すようなポジショニング。
海の中に成層火山だから映える映える。
積雪した桜島の美しさは言葉にできないです。
(↑桜島をバックに撮影したYOUTH SENSE COFFEEのメンバー)
フェリー保護の声
景観同様、フェリーも県民から親しまれています。僕は船内のあの温もりが大好きです。
フェリーが名物とはいえ、桜島と市内を結ぶ道路ができてしまったら利用量が減り、最悪の結果、廃止!なんてこともあるかもしれません。
時代と共に懐かしい景色が減っていくことは、世の常とは言えとても切ないことです。
(↑船内の様子。この雰囲気が好きなんです。)
噴火の危険性
忘れがちですが桜島って結構ヤバイ活火山ですよね。
桜島が誕生したのは26000年前
以来17回の大噴火を繰り返してきました。
大正噴火もそのひとつです。
(ちなみに昭和噴火は爆発的な噴火を伴わなかったので含まれていません)
大噴火の度、鹿児島に甚大な被害をもたらしてきました。
ここ数年は噴火回数が1000を超える年もあり、火山活動が活発になってきています。
もし大正噴火のような大きな噴火が起きた時、
橋は安全であるのか。
倒壊などの危険性を無視したとしても、避難の仕方など考えねばならないことが山積です。
フェリードル箱説
フェリーを有料道路として考えてみました。
もしかしたら儲かってるんじゃないか!
そう思って調べてみたんですけど、全然そんなことありませんでした笑
今年9月から減便になっていたようで、というのも赤字運営が続いていたからみたいです。
テレビ見ないから知りませんでした、、、
やっぱり24時間運営は営利目的で動いてないからですよねー
あった!錦江湾横断ネットワーク構想!
平成21年頃から24年頃までの間、錦江湾横断ネットワーク構想といって薩摩地域と大隅地域を結ぶ構想があったようです。
薩摩、大隅両地域が一体的に発展するよう、
鹿児島市内 – 桜島 間
鹿児島 – 垂水 間
指宿 – 根占 間の3経路、
それぞれ架橋とトンネルの2パターンで可能性を探っていたそうです。
交通量、経済効果で見ると 鹿児島 – 垂水 間が一番有力なのですが、水深が深いため技術的に困難であると。
仮に技術面を無視したとしても、多額の費用で現実的ではないと判断されてしまいました。そこで技術的に可能で、費用対効果も十分に考えられた 鹿児島市内 – 桜島 間のコースが選ばれることになりました。
それからは 鹿児島市内 – 桜島 間で 景観に与える影響や自然条件を調査されたようで。。。
架橋ですと、
湾内の強風や巻き上げられた海水による腐食、さらに台風や降灰など沢山の懸念点が見つかり、加えて景観にも大きな影響を与えるので架橋ではなくトンネルで話が進められることになりました。
トンネル!!!!!!!!
考えもしなかった、、、
景観への影響は皆無!素晴らしい!
ですが、、、
ここで話が止まっていたんです。。。
ネットでは平成24年以降の調査報告は見つかりませんでした。
もうこの構想は中止になってしまったのか。
莫大な費用、技術的課題の多さ、県民からの反発などによって断念してしまったのか。。。
いてもたってもいられず担当の方に電凸しちゃいました!
担当者に電凸!!!
いきなりの電話にも関わらずとっても丁寧に説明して下さりました感謝です。
結論から言うと計画は中止になってないです!
21~24年の調査で、具体的な試算、課題は分かったのですが、どうにもこうにも900億~1200億の費用はバカ高い。
事業を進めるには県のみでは費用規模的に厳しく、国の補助、あるいは国直轄の事業となるので実行まで、とてもとても時間がかかるとのことでした
よかった!!!!!
てっきり反対運動や何かしらの圧力がかかって、オシャカになったと思っていました。。
今は話が止まってしまっているようですが
数年後、一大プロジェクトとして動き出すかもしれません!
ワクワクが止まらない!
課題は山積ですが、成功を収めて
鹿児島をもっともっと発展させてほしい。
桜島を見ながら
そうぼんやりと思うわたるでした。
読んでくれてありがとうございます。
次は何を書こうかな
+YOUTH編集部 わたる