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負けないで!ブラック企業に立ち向かう

 

こんにちは!
+ユースのみゆうです。

“ブラック企業” 

最近よく耳にしますよね。電通の過労死のニュースは記憶に新しいと思います。

そして毎日お仕事を頑張っている皆さんにとってブラック企業には警戒しておきたいものです。。。

近年ブラック企業問題が急激に日本の社会問題として浮上しています。

【ブラック企業】‥狭い意味「新興産業において、若者を大量に採用し、過重労働、違法労働によって使い潰し、次々と離職に追い込む成長大産業」
広い意味「違法な労働を強い、労働者の心身を危険にさらす企業」を指します。

ブラック企業という言葉自体は2000年代中頃に長時間の過酷な労働を強いられている IT産業の労働者たちによって作られた言葉で、違法な労働を強いられるある若者を主人公にした映画「ブラック企業に勤めてるんだが、もうおれは限界かもしれない」が2009年末に大ヒットし、社会にも広くブラック企業という言葉が広まりました。

https://www.youtube.com/watch?v=ebxD-KJNFwk

現在ではIT産業にとどまらず、あらゆる業種でブラック企業は存在しています。就職活動などを経て、社会に出て働いていくなかで、わたしたちは気づかぬうちにブラック企業に入社してしまったり、違法な過酷な労働を強いられる可能性があるかもしれません。このようにブラック企業問題はみなさん、そしてこれから社会に出ていくわたしたちにとっても身近な話題なんです!!

そこで、日本におけるブラック企業とはどのようなものなのかといった、ブラック企業の現状、実態、手口を取り上げます。
わたしたちがブラック企業に立ち向かうためのいくつかの方法をご紹介します!!

ブラック企業が生まれた背景

そもそも日本では企業に対する減私奉公を良しとする社会的雰囲気がありました。
そこに1990年代後半から正社員から派遣労働者、契約社員へ置き換えが進み、正社員の採用枠がますます少なくなってきたため、正社員を募集するとすぐに優秀な人材が集まるようになり、人を大切に育てる必要がなくなったんです。

また、グローバル化が進み国内の企業であっても海外との低賃金競争に巻き込まれていったことなどがブラック企業が生まれた理由して挙げられます。
日本社会の変化を背景に、労働者を企業が成長するための消耗品と考える経営者が次々と現れ、ブラック企業が蔓延してきました。

また、最近は違法な労働環境を確信犯的に作り出し、企業が成長するために労働者を使い潰すことを前提に若者を大量に採用し、過酷な労働条件を押し付け、労働者がうつ病になったり自殺をしてしまっても気にもとめないような企業が目立つようになってしまったのです…

ブラック企業の現状

平成28年12月26日に開催された第4回長時間労働削減推進本部において、「『過労死等ゼロ』緊急対策」が取りまとめられ、社会全体で過労死等ゼロを目指す取り組みの強化の一つとして労働基準関係法令違反に係る公表事案を厚生労働省及び都道府県労働局のホームページに一定期間掲載することが決定されました。(表1)

 

企業・

事業場名称

所在地 公表日 違反法条 事案概要
長組 鹿児島

奄美市

H29.6.16 労働安全衛生法

第21条

労働安全衛生規則

第539条の7

安全帯を使用させることなく、

労働者に高さ6.3mの法面で

ロープ高所作業を行わせたもの

(有)大黒 鹿児島県

志布志市

H29.9.6 労働基準法第32条 労働者10名に36協定の延長時間を超える

違法な時間外労働を行わせたもの

(株)ツカサ 鹿児島県

阿久根市

H29.3.1 労働安全衛生法

第21条

労働安全衛生規則

第519条

安全帯を使用させることなく、

労働者に高さ8.5mの法肩で作業を行わせたもの

(株)拓洋 鹿児島県

大島郡

宇検村

H29.4.20 労働安全衛生法

第59条

労働安全衛生規則

第36条

特別教育を実施しない労働者に、

動力により駆動される巻上機の運転を行わせたもの

表1 労働基準関係法令違反に係る公表事案

この表のように、政府が様々な悪質な労働問題を解決するために労働基準関係法令違反に係る事案を公表している点からブラック企業問題の深刻さが露呈していると言えますよね。

ブラック企業の実態


ブラック企業の手口は様々であります。
代表的な手口として2つのものが挙げられます。

パワーハラスメント

指導として不要な暴力や過剰な叱責が常態的に行われるほか、解雇したい社員を辞めさせるために意図的にパワーハラスメントを行い、うつ病に追いやることもあります。

長時間労働の強要です

ブラック企業によく見られる違法行為に長時間労働があります。月80時間の残業は過労死ラインと呼ばれ、過労死ラインを超えるとうつ病や過労死の危険性が高まるんです。

ブラック企業問題における問題点と課題

では、なぜブラック企業問題は解決されないのでしょうか。。

ブラック企業の問題点として、二つの点が挙げられます。

日本産業全体が激しい価格競争に陥っている状況にあるという点

 

ロイヤルホールディングス社長菊池唯夫氏によれば、日本は20年続いたデフレで激しい価格競争に陥っており、製造業は活路を求め、低コストの新興国に流れたが、外食のような内需型産業は行き場をなくし、材料費や人件費をカットするようになった。

行き過ぎた人件費削減のひずみが過剰労働の問題となって表れている。

低価格を重視しすぎた結果、廃棄食品の横流しや、長野県軽井沢町のバス転落事故といった多くの犠牲を生み出すことになった、と述べています

 

労働者が辞めたいと思っても簡単には辞めることができない日本の社会の仕組みや風潮が存在するという点

 

上西(2016)によると、非正規として雇われる若者は貯蓄もなく、別の仕事を見つける間の生活費にも困るため、たとえ悪い条件で働かされていたとしてもすぐに仕事を辞められない。

また、仮に会社を辞めることができたとしても、就職難が叫ばれる時代で新しい就職先を見つけるのは、非常に難しく、現状の打破ができないでいる労働者が若者を中心に数多く存在していると述べています。

課題として商品やサービスの質を高める必要性があり、ブラック企業で働く労働者を保護、支援する仕組みを整備する

そして第一に、労働者にはブラック企業に立ち向かう方法があるのだということを労働者自身が理解する必要があるのです!!!!

ブラック企業、国、私たちが行うべき今後の対策

まず、菊池(2016)を参考に今後の対策を日本社会の在り方の側面からまとめます。

◎低価格を重視した価格競争からいち早く抜け出し、持続可能な新しい産業モデルを確立していくために、商品そのものやサービスの質や価値を高めるという対策

 

20年かけて下がった価格は急には回復しません。
消費者は今の価格が正当な水準と受け止めているからです。
具体例)  国産の食材を使ったメニューを増やすという方法。

国産食材メニューを強化することで商品の価値を高めるのです。消費者も安心感があれば少々高くても対価を払います。
また、限られた従業員でサービスの質を上げるためには、やみくもに店舗を増やすのではなく、各店舗での従業員の教育や設備の補充に力をいれるといった店の展開の仕方を行うのが良いでしょう。
営業時間の短縮も各店舗が取り入れやすい実践の1つかもしれません。

労働者側に立った保護や支援

!!ブラック企業に立ち向かう3つの方法!!

労働基準監督署、公共職業安定所などの役所を利用する

労働基準監督署‥厚生労働省、つまり国の直轄の行政機関で、労働基準法違反を取り締まる警察と同じ権限をもっている。

申告をうける

会社に出向いて取り調べをしたり、悪質な経営者を検察に送致

罰金などの刑罰を求めることもできる

 

また、下のような

⚫︎残業代など賃金が支払われない
⚫︎解雇予告手当が支払われない
⚫︎仕事中にケガをしたのに労災隠しをされる

 

などの“労働基準法違反”については、労働基準監督署で対応できます。労働基準監督署を利用するメリットは費用がかからないことだです。

一方、法律違反にしか対応できず、対応できる範囲が狭いともいえます。

弁護士に相談して裁判をする

 

⚫︎セクハラの被害にあって退職したので慰謝料を請求したい。
⚫︎職場ぐるみのいじめにあって体調を崩し、入院したので損害賠償を請求したい。

このような場合は損害賠償や権利回復を求めるようなときは裁判を活用するのがいいでしょう。
しかし、トラブルを事前に防いだり、労働条件を今より向上させるというのにはむいておらず、また、着手金や成功報酬といった弁護士費用が必要になってきますよね。

そんなときにおススメするのがこれです!

労働組合

労働組合はもっとも対応できる範囲が広いんです。

労働組合‥労働者の権利を守るために結成する団体

 

大企業にはたいてい会社ごとに作られる企業別労働組合が存在します。
しかし、これまで企業別労働組合には、正社員しか加入できないところ、また規模の小さい中小企業では労働組合すら存在しないところも多かったんです。
そこで非正規雇用の人も職場や雇用形態に関わらず、一人から加入できる個人加盟の合同労組、 通称ユニオンとよばれるものがつくられました。

雇う人と雇われる人とでは、力関係に差が生まれ、雇用者が大きな力をもちます。
労働者が個人個人で雇用者と向き合うだけでは労働者は弱い立場にあり、安心して働くことができません。
そこで憲法と労働組合法などで、労働者同士が団結して経営者に立ち向かってよいということが保障されているのです。

以上、ブラック企業に立ち向かう方法を挙げてきましたが、まずは当たり前ですが、ブラック企業に入らないことが一番ですよね。

そのためには、ブラック企業を見極める力が必要となってきます。

ブラック企業を見分けるためのポイント

 

離職率の高さを調べる

厚生労働省もハローワークを通じて大学生や大学院生を新卒採用する企業に対して、離職率の公表を求めることを決めました。
また2015年春の大卒、大学院卒向けの求人票から、過去三年間の採用者数と離職率の記入欄を設けました。
離職率は就職活動の際、ブラック企業かどうかを判断する一つの材となります。

 

労働組合の有無を確認する

会社に企業別労働組合や合同労組の支部がある会社は、組合のない会社より、労働者の権利が守られていて働きやすいと判断できるのです。

インターネットでの情報収集も有効な手段の一つです。

現在ブラック企業は、小売り、外食、介護、各種サービス業などあらゆる業種で存在しています。しかし、就職難がさけばれる今日では入社できたことに満足し、どんな労働条件でも我慢して働く人や、実際には会社に責任があるが、いつまでもノルマをこなせないのは自分の責任であると感じる人が多いというのが現状です。
これまでの日本は低価格競争に飲み込まれ、安さのために材料費や人件費を犠牲にしてきました。

低価格競争が激化していくにつれ、労働者の労働条件は過酷なものへと変化し、また過酷な労働による運転手の居眠り運転による事故など新たな社会問題も引き起こしています。

ブラック企業問題が解決しないのは日本が安さを重要視した利益だけをやみくもに追求するような産業形態であるからだと考えます。
そしてその産業形態はますます深刻化しています。
質の高いサービスを提供することに重点を置くことがブラック企業問題を解決していく手段の1つになるのでは。

わたしたちはブラック企業問題に対して長期的な姿勢で向き合わなければならないと考えます。

 

参考文献.URL

清水直子『ブラック企業を許さない!­立ち上がった若者たちに学ぶ闘い方マニュアル』(かもがわ出版、2014年)
ブラック企業被害対策弁護団『ブラック企業対策 Q&A~知っておきたい66の法律知識』 (弁護士会館ブックセンター出版部、2014年)
笹山直人『ブラック企業によろしく』(KADOKAWA、2015年)
厚生労働省「長時間労働削減に向けた取り組み」
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/dl/170510-01.pdf (最終更新日:平成29年11月30日)

菊池唯夫・上西充子「ブラック企業なくすには」日経カレッジカフ
2016年3月11日更新 (最終閲覧日:2018年2月7日)
http://college.nikkei.co.jp/article/64345617.html

https://risutoranayami.net/tyouzikanroudou

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